研究課題
基盤研究(C)
本研究は、理性的な主体の制御を逃れる「情動(affect)」の究明を目的とするものである。情念(passion)や感情(emotionないしsentiment)は、概して理性に対し従属的な地位を占めてきた。しかし、特に20世紀後半に生じた「情動論的転回(Affective Turn)」を承けて、人文学諸分野で「情動」や「感情」の意義が問い直されている。本研究はフランス哲学史を中心に情動論の系譜を追い、精神分析・政治思想といった隣接分野の動向を見定めながら、「情動」概念の整備を行うことを目指す。