研究課題
基盤研究(C)
本研究は、非戦闘員保護原則とケアの倫理を梃子にして、正戦論をその内側と外側から乗り越えようと試みるものである。国連憲章をはじめとする国際法のロジックにも深く組み込まれている正戦論的思考であるが、それは本質的に矛盾を孕んだもので、戦時における非戦闘員保護原則はその内的緊張関係の端的な表れに他ならない。戦争の正当化の理論の中核にその暴力性と真っ向から対立する非戦闘員保護の原則が含まれていることの意味を問うこと、それこそが外側からの正戦論批判としてのケアの倫理との接点となり正戦論を非戦と反戦、非暴力と反暴力の論理へと転轍させる重要なポイントとなりうるはずだというのが本研究の見立てである。