研究課題
基盤研究(C)
「霊感商法」のような、宗教やスピリチュアリティをめぐる消費問題を扱ってきた専門家の議論において、合理的人間として捉えられた消費者が感情を操られることによって、本来ならとるはずはない消費行動に走ってしまったという知見は、今現在の主流だといえる。しかし、この感情の捉え方からすると、被害者が錯誤に基づきつつ意思表示したという主張を法廷で行うには消費者が当時抱えていた他の感情との選別をしなければならない。本研究はすでに判決が出ている事件を扱い、「霊感商法」をめぐる被害→判例の過程において「不安」という感情がどのように裁判資料の中に違法性を主張するために組み込まれているかを解明する。