研究課題
基盤研究(C)
ロシア正教古儀式派とは、17 世紀半ばにロシアで行われた正教会の典礼改革を受け入れず、主流の教会組織から離反した宗派である。彼らは逃亡・流刑・移住の形でロシア内外に移住し、移住先の地域との相互影響の中で独自の社会・文化を形成してきた。本研究では、旧ソ連地域の中央アジア(主にカザフスタン)を対象に文献研究やフィールドワーク、インタビューを行うことで、同地の歴史的・社会的環境が古儀式派共同体の形成と継続とに与えた影響の解明を目指す。これにより、古儀式派教徒にとっての信仰・民族・国家帰属の意味を問う。