研究課題
基盤研究(C)
1910年代以降、日中両国のプロテスタント教界は自立化や脱欧米化の潮流を共有し、かつ双方向的な交流が模索されるようになった。1920年代になると社会的福音や平和構築の課題を同じくしたクリスチャン同士の交流が活発化したが、1931年の満洲事変勃発に前後して、かかる信仰的交流は次第に国策によって回収されるに至った。本研究では、結果的には平和構築の担い手となることは叶わなかったものの、それぞれ置かれた条件のもとで兄弟姉妹の交わりを模索した日中両国クリスチャンやその団体の実態を、文献を通じて明らかにする。