研究課題
基盤研究(C)
本研究は、「福祉国家の父」として広く知られるベヴァリッジの社会経済思想を統一的・整合的に理解する新たな視座を提起し、戦後福祉国家体制の青写真となった1942年ベヴァリッジ報告が生成した由来を従来にない視点から解明する。ベヴァリッジ報告が、理想主義思想の産物というよりもむしろ、産業競争力の向上を最優先するテクノクラート支配というプロジェクトを実現するための手段であったことを実証する本研究は、近代資本主義における福祉国家の不可欠性を明らかにする意義をも有する。