研究課題
基盤研究(C)
本研究計画では、「ローマ帝政期に著述活動を行った人々は宗教史と生活世界のなかの宗教現象をどのように考えていたか」を系統的に明らかにする。これまでの研究計画では主に紀元後3世紀のポルピュリオスやイアンブリコス以後の新プラトン主義の影響下にあった著作家を検討対象にしてきたが、プルタルコス『モラリア』など、その前史にあたる著作群も広く分析対象とする。さらに、紀元前1世紀末から5世紀に書かれたこれらの宗教論・宗教実践論が後世においてどのように読まれ、援用されてきたかを主にルネサンス期の新プラトン主義者や古代宗教の再発見者たちの叙述を手がかりに検討する。成果を単著化し、必要に応じて史料翻訳を行う。