研究課題
基盤研究(C)
19世紀後半のドイツ語圏では、ユダヤ人と非ユダヤ人の音楽家、愛好家、支援者たちが、人種や居住地を越えてゆるやかな「ネットワーク」を形成し、音楽文化の振興に、共に取り組んでいた。しかし、これまでの研究では、ユダヤ人と非ユダヤ人が互いに協力して行った音楽に関わる活動について、充分な考察がなされてこなかった。そこで本研究は、19世紀後半のドイツ語圏において、人種を越えた音楽文化支援者のネットワークによる活動が、ウィーンの作曲家フーゴー・ヴォルフの創作に与えた影響を解明することを目的とする。そのために、ネットワークが形成された場と、ネットワークの活動内容を検証する。