研究課題
基盤研究(C)
本研究は、世界的に見ても研究者が限られ、日本での先行研究がないセファルディム(イベリア半島)系ユダヤ教挿絵入り写本についての基礎的研究である。世界中に散逸する挿絵入りヘブライ語写本の基礎データを整えること、ならびに中世イベリア半島のマイノリティであったユダヤ人と、当時の社会支配層を占めたキリスト教徒の、美術面での交渉の諸相を解き明かすことを目的とする。ユダヤ教のもっとも重要な祭日である過越祭(ペサハ)に各家庭で用いられた典礼書であるハガダー写本から研究を開始し、大型聖書写本、その他のヘブライ語写本へと順次、対象を拡大していく予定である。