研究課題
基盤研究(C)
《万国絵図屏風》などの洋風画屏風作品は、16世紀後半から17世紀初めにかけての日本において、ヨーロッパとの文化交渉の過程で成立した「南蛮美術」の重要な領域を構成する。その作品に繰り返し描かれたのは、世界各地の王侯の武装肖像、民族誌的な細部をともなう男女の人物像、地誌的な情報に富む都市景観図などの図像イメージ、そして世界地図だ。 本研究は、洋風画屏風がどのような主体の意思のもと、どのような環境で制作されたのかを明らかにする。また、それらの作品を初期近代世界のグローバルな表象の交通の産物として位置づけ、独自の価値を明らかにする。