研究課題
基盤研究(C)
本研究は、中国の遼・金・元・明、韓国の高麗・朝鮮時代に建立された仏塔(僧塔を含む)のうち、既存の塔の影響を受けて新たな塔が建立される実例を挙げ、これを仏塔における「古典」意識と捉え、その発生・形成の背景とそれを機能させている構造について、実地調査と、先行の考古学・歴史学の文献資料の分析を行い、具体的作例をもとに明らかにしようとするものである。「古典」意識による仏塔の分析では、これまで以上に作例の多層的かつ柔軟な比較考察が可能であり、表層的なもの以上の共通項の抽出に利がある。その成果は、これまでの漢族の仏教受容とは異なる観点における「中国初期仏塔」の形成にも反映できることが期待される。