研究課題
基盤研究(C)
近世前期に隆盛した貞門・談林の古俳諧は、俗語語彙を文字上に豊富に取り込んだ文芸であり、古人の世界観を知りうる資料として貴重であるが、従来、文学史的評価の低調さのために資料基盤が未整備であった。本研究では、申請者のこれまでの研究を踏まえつつ、より包括的な研究を実施することで、さらなる学術基盤の向上を目指す。具体的には、(1)古俳書の全文データの集積と本文の基礎研究、(2)連想リソースベースの構築とそれを活用した『俳諧類船集』の注釈的研究、(3)作品注釈および近世前期語彙集の作成と公開、(4)国内外における議論の活性化に取り組む。以上を達成することで、古俳諧という稀有な文化資源を社会に還元したい。