蘇門は四学士(黄庭堅・秦観・晁補之・張耒)を筆頭に、当時の名だたる文人が蘇軾・蘇轍のもとに集まって文学を中心に、哲学(儒学や老荘思想など)や芸術、政治についても意見を交わして交友を深めた師弟関係のことであり、北宋時代だけでなく、蘇軾没後の北宋後期から南宋初期の間を繋ぐ重要な要素であるが、例えば、黄庭堅と江西詩派が部分的に指摘されてはいるものの、蘇門を総括的に考察する研究は為されていなかった。そこで、蘇軾没後の蘇轍や蘇門の門人たち、そして、彼らから薫陶を受けて南宋に渡った新たな蘇門の文人たちの継承を解明したい。昨今、注目を集める南宋研究と蘇軾研究を有機的に繋ぐ、意義深い研究となると考える。
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