研究課題
基盤研究(C)
本研究の概要は、イギリス・ロマン主義文学が啓蒙思想の流れを汲んだ学問的知の共同体を形成し、そこにおいて共有した知識を基に、どのような社会改革の企図を文学において果たそうとしたかを明らかにすることである。まず、ロマン派の詩人を中心に形成された知のネットワークとはどのようなものであったかを明らかにし、そのネットワークに見る社交性が、啓蒙主義時代の知の共同体を受け継いだ文化的遺産であることを明らかにする。そして最終的に、イギリス・ロマン主義文学の知的共同体において共有された知識がどのような社会改革の視座を有していたかを明らかにし、啓蒙主義からイギリス・ロマン主義へといたる統合的歴史観を見出す。