研究課題
基盤研究(C)
19世紀末、社会の流動性が高まることでホームや家族の概念が多様化していくなかで、ドメスティシティ言説が瓦解し、個人主義やプライバシーという概念が台頭する。この時期に著述業で商業的成功を収め、ヨーロッパにおいて女性のエンパワーメントに尽力したウォートンと、革新時代の社会改良運動を通して、ジェンダー役割の脱構築を独自の視点で主張し、マテリアル・フェミニストとして活動したギルマンのテクストを考察する。文学研究・フェミニズム研究・アメリカ文化史などの従来の観点だけではなく、心理学や進化論やプラグマティズムなど新しい知の観点から、モダニティにおける新しい女性の主体性や女性の空間や語りを検証する。