研究課題
基盤研究(C)
本研究は気候変動やパンデミックなどのグローバルな災厄、および遺伝子操作技術やインターネットによるヴァーチャル技術など地球規模での変化を引き起こす問題を、マーガレット・アトウッドのマッドアダム三部作を主たる題材として探究する。宗教的な全体主義の支配する北米を描いたアトウッドは、様々な角度から読み直されてきた。本研究においては、作品世界における危機の原因となっている①地球規模での気候変動、②および遺伝子操作に起因するパンデミックを検討し、③さらにはそれらが社会、宗教、技術にもたらすものが小説内でどのように扱われているのかを、現実世界における危機の状況認識や科学的・社会的知見と対比しつつ、検討する。