研究課題
基盤研究(C)
本研究は冷戦以降の中欧の作家のうち、ユーゴスラヴィア出身のドイツ語作家M・ドールにおける他者との共同制作を取り上げ、死者を包摂する自意識をともなった彼特有の同胞意識や、後年エッセイ等で展開される中欧概念への影響を、共同性をキーワードに探る。具体的には、1)R・フェーダーマンとの合作、2)I・アンドリッチ、M・クルレジャ作品の翻訳、3)移民作家の共著編集、の3点を考察する。結果を論文及び単著としてまとめ、国際的にも未発展のドール研究を前進させると共に、R・ムージルなど他の中欧作家研究への応用、さらには文学における共同性というより広範なテーマに寄与する基盤を得ることが本研究の目的である。