日常談話が歴史的にどのような変遷を遂げてきたかという学術的「問い」から、中世鎌倉時代における談話を類型に分類し、中近世から現代へと至る変遷の過程及びその時代的背景を探究することを目的とする。調査対象として、言語量がきわめて大きく、多岐にわたる話し手が登場する点から、鎌倉時代語の代表的史料、延慶本平家物語を取り上げる。その会話文を抽出し、類型に分類することによって、古代の公家社会から中世の武家社会へと日常談話の類型がどのように変化したかを明らかにする。特に、鎌倉時代における日常談話の類型と会話参加者の属性との関係、その一類型として会議のあり方を明らかにする。
|