研究課題
基盤研究(C)
本研究は近年盛んに中国が主張している文物返還問題に関して、そもそも「なぜ、古都・長安の文物が近代に海外へと流出したのか」という問題についてとりあげる。具体的には西安の大秦景教流行中国碑、宝慶寺石仏、唐昭陵六駿の3つの文物の事例を取り上げ、新たに発見された資料をもとに、①近代西安ではどのように文物保護政策がおこなわれていたのか②古美術商はどのように西安の文物を現地で買い付け、どのように海外に販売したのか③欧米・日本のコレクター・博物館はどのような考えから西安の文物を収蔵したのかという課題について調査・研究する。最後に『古都・長安の至宝、世界へ~「文物」をめぐるグローバル・ヒストリー』を刊行する。