研究課題
基盤研究(C)
開ラン炭鉱【ランの字はさんずいに、恋の旧字の下の部分が木】は中国の唐山市に位置し、近代中国において第2位の出炭量をほこった。現在も開ラン集団によって採炭が続いている。この炭鉱は、近代において英中合弁企業である開ラン鉱務総局が経営し、日本の重工業とも深い関わりを持った。太平洋戦争期に日本に接収されたあと、イギリス人が経営の実権を取り戻し、1952年に中国に接収される。本研究は、炭鉱が帯びる「国際性」に注目しながら、東アジア国際関係史の文脈に炭鉱を位置付けることを目的とする。それによって当該期の中国をめぐる国際関係の変化を一企業の視点から捉え直し、東アジア国際関係史のより多元的な理解を試みる。