研究課題
基盤研究(C)
本研究の目的は、政治学者・矢部貞治(東京帝国大学法学部教授)の学生時代から助手時代まで(1920年代)を対象として、矢部が出会った師たちから何を引き継ぎ、何を深化させ、自らの人格・思想を形成していったのかを、とりわけ矢部のデモクラシー(衆民政)論と国体論、キリスト教との関係に着目して分析し、矢部政治学を政治学史の系譜に正当に位置づけることである。また、矢部の人格形成にキリスト教はどのような役割を果たしたのか、それがのちの衆民政論・政治学体系にどのようにつながっていったのか、国体とキリスト教(天皇と神)の関係性をどう捉えていたか、について具体的に解明する。