本研究は、日本および韓国で出土した木簡の解読・分析を通じて、東アジア文化が日本古代の食文化にいかなる影響を与えたのか、解明するものである。 特に豆やその加工品である「醤」「未醤(味噌)」、肉や海産物の加工品「膾(なます)」「醢(塩辛)」などに着目し、食品やその加工技術の受容過程、朝鮮半島の食文化との相違点、共通点について検討する。文字の使用が本格的に開始し、様々な「モノ」が文字=漢字で表記されるようになった。そこで、食物がどのように表記され、新しい食文化としていかに再定義されていったか、律令の導入、官司の運営法の受容、仏教や神祇祭祀の影響という視点により明らかにする。
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