研究課題
基盤研究(C)
本研究は、近世期(17世紀)以降のベトナム北部地域を対象として、各寺院が主催する仏典刊行への協力や寺田の寄贈などを通じた村落共同体・在家信者と仏教教団のつながりを解明することを目的とする。研究の実施にあたっては、文献史料(寺院で刊行された仏教典籍及び関係文書)・碑文資料(寺院や祀廟に伝存する石碑)に加えて、村落側に伝わる地簿(土地台帳)等も参照し、多角的な分析を行う。本研究を通じて、ベトナム刊行の仏教典籍及び碑文資料等の歴史史料としての重要性を示すことで、未調査の典籍の調査・保存への注意を喚起し、様々な資史料を用いたベトナム仏教史研究の促進・発展に寄与することが期待される。