研究課題
基盤研究(C)
本研究は、神聖ローマ帝国の臣民が帝国の重層的な司法機構をどのように利用したのか、実証的に検証するものである。二つの帝国裁判所のうち研究が遅れている帝国宮内法院Reichshofratで扱われた刑事・民事の魔女関連案件を精査し、とくに臣民訴訟に着目して、既存の帝国最高法院研究との比較が可能になる共通指標を用いて訴訟のデータを整理し全体をリスト化する。個別事例を掘り下げ領邦-帝国の司法機構を往還的に見渡すことで、領邦-帝国の重層的な司法機構を、魔女裁判被告のような貧民層を含む臣民がどのように利用しえたかを明らかにする。