運搬容器から探る古代の食材貢納―胎土・残存脂質分析による土器の自然科学的研究―

• 研究課題/領域番号: 25K04546
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 審査区分: 小区分03050:考古学関連
• 研究機関: 昭和女子大学
• 研究代表者: 村上 夏希 昭和女子大学, 人間文化学部, 講師 (90801267)
• 研究分担者: 森川 実 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 室長 (30393375) ; 庄田 慎矢 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 企画調整部, 室長 (50566940) ; 神野 恵 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 企画調整部, 室長 (60332194)
• 研究期間 (年度): 2025-04-01 – 2028-03-31
• 研究課題ステータス: 交付 (2025年度)
• 配分額: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円); 2027年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円); 2026年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円); 2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
• キーワード: 古代食 / 律令制 / 残存脂質分析 / 産地分析

研究開始時の研究の概要

奈良時代後半から平安時代前半にかけて各地に流通した須恵器長頸瓶「壺G」は、鰹を煎じ詰めた古代の調味料「堅魚煎汁」の貢納容器として注目される。堅魚煎汁の貢納地が駿河・伊豆に偏る背景には、自然環境のみならず国家的な意図があったと考えられ、壺Gは当時の政治体制や流通構造を示す重要な資料である。一方、壺Gの生産地や内容物、具体的用途は未解明である。本研究では、壺Gに初めて自然科学的手法を導入し、胎土分析と残存脂質分析を実施することで、その本来の役割や機能を復元し、古代の貢納制度や堅魚煎汁の特性を再検討する。