研究課題
基盤研究(C)
メソポタミアでは土器の製作技術が都市形成期に著しく発展した。土器の胎土(粘土)は地域性を示す一方、装飾用の彩文顔料は多様な鉱物からなり、地域間で類似するものが目立つ。メソポタミア都市形成期に地域性の強い胎土と広範に類似する顔料が融合して独特の焼成技術により彩文土器が製作された。本研究は、メソポタミア都市形成期の土器について、地域別に土器胎土を分析してその粘土採取地を推定し、彩文顔料の分析によりその原料となる鉱物の由来地を探る。そして、当該期の土器胎土と顔料の成分に近似した試料を再現して、焼成実験により上記の理化学的分析成果を検証し、メソポタミア都市形成期の土器製作技術復元を試みる。