博物館の生物標本等が潜在的にもつ遺伝情報は、時間の経過とともに着実に失われていく。DNAの残存量は経過時間に加え保存環境に大きく左右されると考えられる。生物標本の年代・状態・保存環境等からDNAの残存量および断片サイズを概算することができれば、研究方針や手法の選択の基準になるなど、より効率的・確実な分析が可能になる。 そこで、数年~百年間程度が経過した生物標本におけるDNA半減期を、博物館標本等を用いて解明する。また、多様な条件下での実験によって、保存条件に応じたDNA損傷率を測定し、経過時間および保存環境からDNA残存量や断片サイズを概算する手法を開発する。
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