研究課題
基盤研究(C)
2000年代以降、世界の移民研究は「同化論パラダイム」の限界を超克し、移民のトランスナショナルな特性解明へと大きくパラダイムシフトした。その結果、各移民集団の多国籍で越境的な民族性が解明される一方で、多様な移民集団間の民族性の差異やその要因については、未だその解明に有効な研究パラダイムが見いだせていない。そこで本研究は、地理学的なマルチ・スケールの空間概念を移民研究に援用し、多様な移民集団が他集団とどのように関わりながら移住地や生業を選択し、個性豊かな民族コミュニティを形成してきたか、その特徴を各空間スケールに即した自然・人文条件との関係性から解明することを企図している。