研究課題
基盤研究(C)
本研究は、タイ北部に居住する少数民族カレンの麹と麹作りに関する実践と信念を調査し、カレン社会における麹と麹作りの意味を明らかにする。麹は微生物の塊であり、原料を酒に変換させる機能を持つ。多くの社会では変換に意味や象徴性を与える一方、菌などの微生物は病やリスクと結びつけられてきた。麹作りが作業行為以上の意味を持つのは、これらの相反する性質が共存する麹の特徴によるものなのだろうか?本研究は、カレンを事例に麹の文化的意味とその変化を考察することで、なぜ麹や麹作りが儀礼性や象徴性を帯びるのか?麹や麹作りがなぜ文化的意味を持つのか?そしてこれらは変化しうるのか?という学術的「問い」に挑む。