本研究は、雇用保険および労災保険の法構造を明らかにし、雇用保険法ならびに労災保険法の趣旨を問い直すものである。 法構造にせよ法の趣旨にせよ、不変であり(すなわち、時代が変わっても妥当すべき法原理を備え)普遍的な(すなわち、海外の制度とも共通する原理)ものと、時代の変遷や社会情勢による変化等を踏まえて、変化したあるいは変容しうるものとがあると考える。本研究はドイツ・オーストリア・EUの法制度や法理論に通底する理念や理論についての知見からわが国の雇用保険や労災保険に対する法理論的示唆を得る。法理論的観点から、雇用保険および労災保険の改革案を提示する。
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