研究課題
基盤研究(C)
営業秘密の価値が高まる中、その越境侵害のリスクも増大している。我が国の不正競争防止法は、これまで国外犯処罰の導入(2005年改正)、その範囲拡大および海外重罰化(2015年改正)など、主に刑事上の措置を講じてきた。そうした中で、2023年改正では、国際裁判管轄および適用範囲の規定を整備し、民事上の措置を導入した。本改正は、刑事と民事の法適用関係の連携を図るとともに、準拠法選択アプローチ(EU)から域外適用アプローチ(米国)への転換を図るものとして注目される。そこで本研究では、日米欧における営業秘密の越境侵害への法的対応を比較検討し、我が国法制の意義と課題を明らかにする。