本研究は、新たな資料を基にデータを構築し、毛沢東時代中国の個人独裁と集団指導の実態を検証することを目的とする。中国のエリート政治に関する研究は、ややもすると毛沢東の個人独裁を自明の前提として進められがちである。本研究では1990年代以降に出版された指導者の年譜類を基に、毛沢東時代の中央政治局・政治局常務委員会の開催状況に関するデータを構築し、毛沢東の政治リーダーシップに関してより客観的な知見を提供することを目的としている。 本研究によって得られるデータと知見は、毛沢東時代の政治研究のみならず、中国政治の現状と今後を分析するための一つの立脚点になるであろう。
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