研究課題
基盤研究(C)
従来の一般均衡理論における研究成果を、市場経済一般の原理の解明と位置づけ、それとは区別される資本主義的市場経済に固有な原理的特性を解明する拡張的一般均衡論的枠組みを提起する。資本主義的市場経済における長期的均衡の均衡多様体についての分析研究を行い、市場の有する競争的配分機構や技術革新を伴う動態的競争機構と所得分配の非市場的決定機構との整合的両立可能性を探求する。資本制経済下での労資の分配関係を労働搾取概念で特徴づけられるか否かを問う。搾取問題に関する経済学派間の見解の相違を超えて合意し得る妥当な搾取測度を公理論的に導出し、それを用いて現代の米国経済の搾取的性質の有無についての実証研究を行う。