研究課題
基盤研究(C)
本研究計画は、20世紀後半の進化論的知識論が、現代の経済学の発達の中で消化されていく過程を分析し、今後の経済学の発展の方向性を明らかにすることを目的としている。進化概念は経済学において、物理学と並んで市場社会の全体的なコンセプトの基礎として貢献してきた。本研究の中では、F.A.ハイエクの知識論のH.サイモンの再評価を議論の起点として、情報理論の背景にある人間観まで明らかにする。その上で、技術的には急速な発達を遂げつつある現代経済学の方法が、現実社会への説得力を増すために進化概念が果たす役割を示すことを目的としている。