金融資産の最適ポートフォリオの構築には、複数の資産の収益率からなるベクトルについて、その共分散行列の推定が不可欠である。その共分散は時間とともに変動するという特徴をもつため、多変量ボラティリティ変動モデルを用いて実証分析が行われている。その際に注意が必要なのが、次元が大きくなるほど(金融資産の数が増えるほど)その2乗のオーダーでパラメータ数が増加してしまうという問題である。この研究では、スパース(疎)構造またファクター構造など高次元の共分散行列の推定に関する研究を応用して、3種類の多変量ボラティリティ変動モデルの拡張に取り組む。
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