研究課題
基盤研究(C)
経済格差の高まりは賃金格差への学術的関心を呼び起こしている.重要な要因の1つとされてきたのは職業や職務である.その背景には欧米の雇用関係が職業や職務に基づいて編成されている事実があり,社会階層や階級の概念もこうした雇用関係に立脚している.労働研究は国内外の雇用関係の編成原理の違いを解明してきており,「メンバーシップ型/ジョブ型」の理念型は国内では広く知られている.しかし,社会学の国際的な研究フレームワークの中にメンバーシップ型雇用が的確に位置づけられているとは言い難い.そこで本研究では社会階層・階級研究と労働研究を架橋し,日本の階層構造と賃金構造の特徴を国際比較の中で実証的に明らかにする.