研究課題
基盤研究(C)
1980年代以降、世界的に経済格差が拡大し、福祉国家体制が限界を迎える中、「生存」や「生きること」をめぐる根源的な問いが、様々な研究領域で検討されている。本研究もこうした問題関心に基づき、これをバイオポリティクスとしての学校医療を事例にして公教育の在り方を問いながら検討しようとするものである。具体的には、公教育学校の一つであった寄宿制インダストリアル・スクールを取り上げ、児童救済に関わる全国組織の報告書や各校に残された学校医の医療記録等の分析を通じて、同校の導入の経緯や内容を描き出すとともに、学校医療が学校知としてどのように蓄積されていったのかを感情史研究の手法を用いて明らかにする。