研究課題
基盤研究(C)
本研究は、1948~90年、冷戦下の政治的緊張関係にもかかわらず東西ドイツ間で行われた教科書・教材の輸出入やライセンス譲渡などの出版取引とそれを通して生起する人的・文化的交流に着目し、その背景と量的・質的な実態及び変遷、意義を明らかにするものである。東ドイツの教科書出版社の資料と、実際に取引された教科書・教材を分析し、教育学、出版学双方の文脈で検討することで、ナショナル且つグローバルな新たな教科書・教材像を描くとともに、分断された国際関係における教科書出版の役割や、教科書・教材を通じた文化的架橋の可能性を明らかにする。また、冷戦期の両ドイツの関係を交流という視点から読み直すことを試みる。