本研究は、カナダにおける先住民族の民族知継承を目的とした教育の現状について、政策面と実践面の双方から明らかにすることを通して、多民族・多文化社会における民族固有の文化・知識を継承の意義とその課題について、実証的に明らかにするものである。具体的には、2005年以降における各州・準州の先住民教育政策の展開を整理し、2016年以降の各州・準州における先住民族の民族知継承に関する教育政策の導入過程について明らかにした上で、民族知の継承を通じた教育の現状と課題を明らかにする。これらのことを通して、児童生徒のウェルビーイングの実現について、マイノリティの民族知の継承という観点から検討を検討する。
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