日本の保育者が1人で担当する子どもの数はOECD諸国で最も多い。この背景には、子ども同士の関わりを通して発達を促すという、英米とは異なる保育の志向性がある。2024年3月には76年ぶりに保育者配置基準(以下「基準」)が改定されたが、「基準」の科学的根拠は十分に示されていない。本研究では、保育者が現場で培った“実践知(肌感覚)”に注目し、面接調査を通じて「基準」が保育過程や子どもの関わり・発達に与える影響を明らかにする。英米型の1対1の関わりを重視する質的評価枠組みに依拠するのではなく、子ども同士の関わりを重視する日本の保育文化に即した「基準」の妥当性を探ることを目的とする。
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