研究課題
基盤研究(C)
この数十年,心理学者は私たちの知覚や判断が,全く関連のない情報や当人の信念や期待によって,いとも簡単に歪むことを示してきた。昨今の研究は,法医学専門家など,極めて公正さが求められる専門家の判断もこの例外ではないことを示している。それにも関わらず, 判断の認知バイアスを防ぐ対策は驚くほど進んでいない。加えて、専門家は自分の判断はバイアスの影響を受けていないと信じており,このような専門家の客観性の過信は,盲検化手続きなど,バイアス回避のための制度導入の障壁となっている。そこで本研究では,①専門家の判断におけるバイアスの低減,および,②客観性の過信を緩和するために有効な方法の開発を目指す。