研究課題
基盤研究(C)
本研究は、伝統工芸が社会の変化に適応しながら新たな価値を生み出す創発過程を、生成継承性の視点から明らかにすることを目的とする。具体的には、社会変化によって生じる三つの障壁,具体的にはテクノロジー障壁、交流機会障壁、革新障壁といった点に着目し、それらを乗り越えた職人を対象に実践知の適応過程を調査する。(1)新素材への漆塗り、(2)海外輸出に取り組む伝統織物、(3)照明器具への応用を試みる竹細工の三事例を通じて、個々の実践知の変容と継承、さらには後続世代との対話を通じた創発のメカニズムを分析する。最終的に三事例の比較から創発の支援方策を考察する。