多くの実態調査で非行少年の中に少なからず自傷行為を繰り返す者がいることが示されているが、一方で自傷行為経験を有する少年院在院者の多くが施設内では自傷行為を中断するとの指摘もある。自傷行為を当事者と支援者の関係(以後「支援関係」という)という場で生じる現象と捉えたとき、どのような支援関係が少年院在院者の自傷行為に作用しているのであろうか。 この問いを明らかにするため、本研究では、①当事者の視点から自傷の機能と脱却のプロセスを整理し、②支援関係、自傷に関する法務教官の態度を明らかにし、③自傷に作用すると考えられる支援関係の在り方を特定、検証する。
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