研究開始時の研究の概要 |
弱双曲群 G が等長的に作用する, 局所コンパクトとは限らないグロモフ双曲空間を X とし, X の任意の点 x の軌道 Gx 上の過渡的な分枝ランダムウォークを考える. その際, 「過渡的な分枝ランダムウォークの挙動によってつかまえることができる弱双曲群の性質やグロモフ双曲空間の幾何学的な性質とは何か?」という問いが自然に生まれる. 本研究では, 弱双曲群 G が非初等的であり, Gx がユニモジュラ性をもつとき, Gx 上の過渡的な分枝ランダムウォークを考え, この問いに対する答えの一つとして, 分枝ランダムウォークが通った部分の位相的なエンドはほとんど確実に孤立点をもたないことを示す.
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