代数トポロジーにおいて球面の安定ホモトピー群は最も基本的な研究対象だが,スペクトル系列などを用いて直接計算することは困難を極める.一方で,近年は複素向き付け可能ではない一般コホモロジー論へのフレヴィッツ準同型を用いて球面の安定ホモトピー群の元を検出する試みもなされており,そのような理論として近年注目されているのが実ジョンソン・ウィルソン理論である.本申請課題では,実ジョンソン・ウィルソン理論と複素ジョンソン・ウィルソン理論の関係を精密に調べ,実K理論と複素K理論の相互関係から得られた結果などと比較しながら,安定ホモトピー圏に対する新たな知見を得ることを試みる.
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