最大エントロピーランダムウォークは確率過程のエントロピー・レートを最大にするマルコフ連鎖であり,通常のランダムウォークとは著しく異なる挙動を示す.本研究では,無限グラフ上で定義された最大エントロピーランダムウォークと通常のランダムウォークの再帰性・過渡性を比較することにより,両者の定性的な違いを明らかにする.具体的には,最大エントロピーランダムウォークと通常のランダムウォークを補間するようなマルコフ連鎖の1パラメータ族を導入し,この族の再帰性・過渡性がパラメータに関してどのように変化するのかをリスク考慮型マルコフ決定過程の観点から考察する.
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