研究開始時の研究の概要 |
分散型金融とは近年ブロック・チェーン技術によって可能となった金融システムの新しい形態であり, 従来の取引所や仲介業者を必要としない点で, より効率的な金融を実現するとして注目されている. 本研究は, 分散型金融取引を記述し, その価格決定メカニズムとリスクを解析するための確率解析的な枠組みを与える. 分散型取引所の最適システム設計, 流動性供給のリスク評価とそのヘッジ, デリバティブ商品設計, 流動性供給者及び流動性需要者の効用最大化問題などを確率解析の枠組みで定式化し, 既存の数理ファイナンス理論や確率過程の漸近分布論等も駆使して, 分散型金融の諸問題に実用的な解を与えることを目的とする.
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