研究課題
基盤研究(C)
量子多体系において、時間の並進対称性が自発的に破れた量子状態である時間結晶は、その擾乱に対する堅牢性により量子技術応用が期待されている。本研究では、二つのアプローチから時間結晶の理解を目指す:(i) 孤立系に測定を行ったときの時間結晶の実現条件を明らかにする。(ii) 同一の孤立系模型を基に、共振器電磁場との結合や連続駆動を導入した開放系の時間結晶の堅牢性を、古典論と量子論の両面から解析する。これにより、孤立系と開放系の時間結晶の関連性、また時間結晶の堅牢性を保証するメカニズムの解明に取り組む。本研究は、堅牢な量子系設計や、新たな量子制御・量子計測法の開拓につながることが期待される。