研究課題
基盤研究(C)
半導体や絶縁体といったエネルギーギャップがある系に高い電圧を印加すると、トンネル効果によりキャリアが生成し、それが電子間の衝突によって指数関数的に増幅されて金属的な状態が実現することが知られている。一方、物質機能開拓の新しい指導原理として、電子波動関数の幾何学的側面を考えるアプローチが近年大きな成功を収めている。本研究では、電子波動関数が非自明な幾何学位相を持つ半導体・絶縁体を対象に、強い電場のもとでのキャリア生成や多体効果による増幅過程における幾何学位相効果を微視的理論に基づいて明らかにし、絶縁破壊現象を利用した新しい物質機能の開拓を目指す。