研究課題
基盤研究(C)
近年、高密度状態での量子色力学(QCD)の性質について強い関心がもたれている。しかし、高密度での格子QCDの研究は、符号問題という深刻な問題があるため未だに困難である。本研究では、仮想的にクォークの質量を変化させられるパラメータと考え、温度、密度、質量の関数として有限温度・密度QCDの相構造を、格子QCDの数値シミュレーションを行うことにより解明することを目指す。特に、符号問題の取り扱いが比較的容易なクォークが重い領域での相構造を調べることにより、高密度・重クォーク領域からの外挿、もしくはゼロ密度の結果とあわせた内挿として、有限温度・密度格子QCDの相転移の性質を調べる。